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Behind the Scenes 特別企画 |
会場 大橋通り西 メフィストフェレス3F公演は終 了いたしました!
前売りペアチケット 1500円
(ペアチケットはプレイガイドのみの取り扱いです)
前売り券 800円
当日券 1000円
behind-the-scenes[形容詞]
[bəháind ðə seenz] 舞台裏の、 内幕の、 影の、(大修館 ジーニアス英和辞典より) 脚本が書けなくなっちゃう というのは、ぼくら座付き作家にとっては笑えない冗談であります。原稿は一向に進まないのに、日は迫る一方。焦る劇団員、というより焦りを隠すもの、お おっぴらに焦るもの、ただただ怒る、または笑うと、こういう抜き差しならない状況では各々の個性が発揮されるわけですが、まぁ、どういう反応をされてもこ ちら書く側としてはどうしようもないわけでありまして、つうよりはせかされて書けるぐらいなら最初から書いてるよと開き直りたい、そういう気分でいっぱい になるのでありました。 いや、 今回は書けないわけではありませんでした遅くなってるのは。時期を待っていたのです。いい感じの波を待つサーファーの気分って、なんだそりゃ。 この 物語はそもそも東京でやってたユニットで初演した作品の再演であります。あのときはスタッフだけで芝居を作ろうと、劇団の俳優陣を除け者にしていつも裏方 をやっているメンバーで企画を立ち上げたのでした。だから内容もろくすっぽ考えずタイトルはbehind the scenesということにしました。 最初は舞台裏を描く、書けない書けないと悩みながら仲間に助けられてどうにか一本のお芝居が仕上がる、そんな三谷的なものをやろうと思っていました。 でも、仕上がってみると変なノになっちゃったのでした。 ネタ バレ覚悟で書きますが、この話、裏話なんかじゃありません。しかしそうすることで本当の意味での裏話になったんじゃないかとも思います。わけがわかりませ んね。そう、書いてるうちに訳の分からない話になってしまったのです。 なにしろ、途中からぼくの脳内に物語がシフトしていって、幻想に次ぐ幻想、妄想に次ぐ妄想、夢、夢、そんな感じになっていくんですから。 確か にこの頃、ぼくは非常に重い鬱状態にありました。鬱状態にありながら、この作品に置いては結構愉快なギャグをちりばめてお客さんを笑わせたりして、我なが ら哀れで痛々しい気もします。 でも、結局、自分の置かれた状況って、どんなにひどくても笑うしかないんですよね。悲しい、つらいと認めた瞬間に立っていられなくなる。だから笑って思い 込むしかない。 「こんなのたいしたことないや」って。 感覚 的には「マルコヴィッチの穴」みたいなものでしょうか。あそこまでイヤな話ではないですが。一応この話はコメディだし。でも、牧場君は脚本読みながら「キ モチわりいなぁ」と言っておりました。みなさんはどんな反応をしていただけるか、とても楽しみです。 最後 になりましたが、この作品を夢ある若者たちに送ります、と付け加えさせてください。 おれは何でも出来るぞ! という思い込みと、何にも出来ないんじゃないか……というダウナー思想の絶妙なバランスに立っているそこのアナタ。アナタのため のお芝居ですよ。是非劇場でお会いしましょう。 文責 松島寛和
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