高知市の西側を流れる仁淀川。
そのほとりに一軒の古い家がある。
もう決して若くはない三人姉妹のこなつ、みはる、あきほはその家で育った。
そこには今、長女こなつとその娘ゆうみが住んでいる。
ある日こなつはゆうみが親(自分)に黙って部活を辞めていたことを知る。
部活だと嘘をついて出歩くゆうみに不安が募るこなつ。
みはるが計画していた温泉旅行は、「コロナだから」と夫にたしなめられて延期になった。
仕方がないのははわかっていても夫の態度に不満が残るみはる。
あきほは同僚の明日香と仲良くなり、プライベートでも会うようになる。しかし明日香はあきほに内緒のまま、突然に会社を辞めてしまう。
三人それぞれの生活がゆるく重なりながら、それぞれの「幸福」がふわっと見えてくる。
そして仁淀川の河畔でコーヒーを飲む、そんな物語。
初めましての方もお久しぶりの方も、おはようございますこんにちは。シアターホリックです。高知市から来ました。
「キミは一体何がしたいんだね」
コロナ以降、このことを繰り返し考えました。
ぼくらのやっている“演劇”って、モチベーションを保つのに凄まじいバイタリティを必要とします。
そんな中、現実として大っぴらに「演劇をやらなくていい」という時間が来てしまったわけで。
「演劇やめちゃおうか、どうしようか」なんて悩む余地なんてない、辞めざるをえない!といういまだかつてない暴力的な環境。
ぼくは数ヶ月間、劇団員と会わずに過ごしました。
その間なにをやっていたかというと、いそいそと一人キャンプに勤しんでいたのですね。
高知というところは車で15分も走ると信じられないような田舎の風景にぶつかります。
アウトドアをやるようになってわかったのですが、この趣味を持った人間にとって高知はパラダイスでしかない。
一人キャンプに目覚めて以降、それなりに充実した生活を送っておりました。
……充実、かあ。
はー、おれ、コロナ禍でもそれなりにやれてんのかな。
っつか、演劇はどうした演劇は。お前の人生には演劇がなくてもいいのか?
考えてみると、自分がお芝居に書く登場人物に「演劇がないと生きていけません!」みたいなキャラを書くことってあんまなくって。
演劇がなくてもそこそこ生きていけてる人を書いてるわけでして。
だから知ってたわ……演劇なくてもそこそこ生きていけるってことを……。
じゃあ、演劇ってなんなんだ。俺にとっての演劇って。
不要不急なの? 不要じゃないの? そもそも不要不急てなに?
ということを考えながら演劇を作りました。
っつか、作ってる最中です。
「幸福論」なんて大袈裟なタイトルをつけちゃいました。
しかもツアーです。このタイミングで。
このシチュエーションじゃないと見えてこないってことがあるんです。
だから、今じゃなきゃダメなんだ。だけど、行けるかな……。行きたいな……。
行けることを祈ろう。今は祈ることしかできん。くそコロナ!
東京公演は新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、無期限延期となりました。
※開場は開演の30分前です。
※会場に駐車場はございません。なるべく公共の交通機関か、近隣のパーキングをご利用ください
※劇団側でも、稽古・上演時に下記の通り感染症拡大防止策を実施しております。
松島寛和
劇団シアターホリック
(山元美空)
山田紫織
岡田ひなた
柴千優(客演)
齊藤桃子(客演)
なかひらはな(客演)
松島寛和
杉村奈保
立木幹生
丸山裕介(劇団まんまる)